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引き継ぎ資料で押さえる3つのポイント

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四半期末や年度末、退職のタイミングで、自身の業務を次の担当者に引き継ぐことは誰しも経験があるのではないでしょうか。
そして都合が合わずフェイスtoフェイスで引き継ぐことができない状況があります。
今回は業務引き継ぎ資料の作成において、押さえておきたい3つのポイントを解説します。

その1:目的とセットにする

1つ目のポイントは、「業務と目的をセットで伝える」ことです。
業務内容を正確に伝えようとすればするほど、なぜその業務が必要なのか、なんのためにその業務を行うのかが不透明になることがあります。

ある新規研究開発テーマを創出するチームには毎朝15分間は技術ニュースを探してデータベースにまとめるルールがありました。
組織を移動する際に現担当者が、ニュースをデータベースにまとめる方法を親切丁寧にマニュアル化しましたが、次の担当者は一週間で止めてしまいました。
そこで理由を聞くと、「ニュースを収集して、データ整理する意味がない」との回答が出てきたのです。
これは、新しい研究開発テーマのアイディアを出すためネタとして、最新ニュースを収集・いつでも取り出せる状態にしておくのだという目的を伝え、理解してもらう必要があります。
同様のケースは、部下に業務を依頼する時、他の組織に協力して欲しい業務が発生した時も該当します。

業務マニュアルは、必ずその目的と業務をセットで伝わるようにすることが有効です。

その2:引き継ぎ相手を想定する

2つ目のポイントは、「引き継ぎ相手の背景を考慮する」ことです。
引き継ぐ相手、次の担当者は、どのような経歴の持ち主でしょうか?

引き継ぐ担当者は、あなたと同じ職種にたずさわってきたのか、どのくらいの経験年数があるのか、移動前の組織の特性は似ているのかといった相手の背景を想像してみてください。
意外と多く目にするケースに、同じソフトウェア開発エンジニアであっても、関わる商品カテゴリーや顧客特性に応じた「常識」が異なることで、開発方針が正反対となるものです。
例えば、フェイルセーフを多重化することが当たり前の文化なのか、フリーズしたら顧客がリセットすること当たり前でフェイルセーフは意識しない文化なのか、言い換えれば前者は安全・信頼第一、後者は新規性第一と価値感が異なる商品の違いがあるか等のケースです。

引き継ぎ業務のミス・コミュニケーションを防ぐためには、相手の置かれてきた経験や背景を想像し、文化の違いを考慮した説明を入れることが効果的です。

その3:実テストを行う

最後に3つ目のポイントは、「引き継ぎ資料を元に実作業でテストする」です。
あなた自身が無意識に行うような習慣となっている業務であればあるほど、何も知らない相手を想定した実テストを行うことがよいでしょう。

そんなの常識だと思われるかもしれませんが、業務マニュアルの作成に慣れていない場合は注意が必要です。
パソコン上の画面をスクリーンショットし説明を加えたマニュアルを元に作業した経験は誰しもあるかと思います。パソコンを普段から使用しているので、親切に説明していなくとも大丈夫ですって?
例えばWindowsユーザーが初めてMacを使う時、勝手が違うと迷うはずです。しかし、Macユーザーにとっては、おおよそ想像できるでしょう。
このように、ある前提を踏まえている業務は、数多く存在します。
実際にどこまで親切に資料として表現するかは判断に迷うところですが、「その2:引き継ぎ相手を想定する」で解説したように、互いの常識を想像し不明確であれば説明するというのが1つの指針でしょう。

引き継ぎ資料・マニュアルは実際に作業をテストして完了させることが、引き継ぎ相手に対して親切ですし、後々においても活かせる資産となります。

まとめ

現在のようにフェイスtoフェイスで業務の引き継ぎができない状況では、資料・マニュアルの完成度をあげる工夫が必要になるでしょう。
資料作成の基本的な考え方は、「相手」を考慮することです。

その1:目的とセットにする
その2:引き継ぎ相手を想定する
その3:実テストを行う

上記の3つのポイントを活用しながら、使える資料・マニュアルとして完成させましょう。

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