BLOG

ターゲット設定は偏り禁物

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新規事業を目的としたターゲットを設定する時、どのような方法を採用していますか?
ここではターゲットを「業界」「メイン顧客」として捉えますが、いずれを決定する場合でも苦労が絶えません。
先を読むことが難しい現代において、100%完璧な予測は不可能です。
さらに大量生産時代にように、商品を作れば売れるという保証もありません。
このような背景から、経営陣も現場も新規事業のターゲット設定は慎重にならざるを得ず、結果としてターゲット決定までのプロセスが長期化します。

ではスピード勝負、「えい、や」で決めればよいのかといえば、それも違います。

ターゲットを設定するために、何が必要なのか?
それは【ステークホルダー全員が納得すること】です。

経営陣、現場が十分に議論し、納得できるターゲットを定義することができれば、その後の目標設定や開発は格段に進めやすくなります。
納得できるターゲットを定義するには、どうすればよいのか?

それは【あえて多様な意見を出しあうこと】です。
ここでターゲット設定の際、気を付けるべき3つのチェックポイントを紹介します。

①声が大きい人物の意見を鵜呑みしていないか?
 声が大きい人物とは、事業部長、R&D長などの意思決定の権限を有する人が望むターゲットを設定しがちではないかチェックします。 
 影響力が高い組織、人物の意見であれば即OKと鵜呑みにせず、「本当にこのターゲットがよいのか」議論の対象とすることが重要です。
 しかしながら組織経営である以上、どんな企業でもこの傾向はあるものです。 
 回避するために、社外の第三者にファシリテートや討議への参加を依頼するなどもよいでしょう。

②若手の意見を無視していないか?
 新入社員や若手社員の意見を聴かない、無視する傾向が強くないかチェックします。
 ベテラン社員と比較して若手社員の強みは、トレンドに対するアンテナを有していることや常識にとらわれない発想力です。
 「どうせ、この市場は無理」、「この辺りがターゲットだろう」といった先入観が少ない若手の意見も議論の対象とすることが、既定路線にとらわれないターゲット決定では有効です。

③決定プロセスで「なぜなぜ」をしているか?
 議論を重ね、ターゲットを絞る段階で「なんなく良さそう」「儲かりそう」で決めていないかをチェックします。
 具体的には「なぜなぜ」を最低5回は繰り返すことです。
 例えば、「物流業界」をターゲットと仮定したならば、「なぜ、自社が参入できるのか?」「なぜ、この業界は儲かりそうなのか?」「なぜ、この業界に自社技術が必要なのか?」…「なぜ、自社販路が物流業界に活用できるのか?」とお題を変更しながら、ターゲットを精査します。
 「なぜなぜ」を出尽くした段階では、ステークホルダー全員が納得するターゲットが明確になっているはずです。
 
今回は「ターゲットを決める時は、あえて多様な意見を出しあい、議論することで、納得性を高める」について解説しました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「Tech×Bizラボ」メルマガ登録

コンサルティング現場からビジネスに関するヒントや新商品の開発ポイントなどお役立ち情報をお届けする無料メールマガジンです。
送信後にメールアドレス宛に仮登録の通知がされます。メールを開き、必ず本登録の手続きをお願いいたします。

(注意)フリーメールアドレスや同業者と判断された場合は、事前の許可なく登録されません。