今回は「創発的戦略」について解説します。
新規事業立ち上げ時の技術開発では、想定外・計画外の事象が発生します。
私がこの記事の中で、とにかく技術戦略を作ってくださいとお伝えしていますが、
「どうせ変更するなら作る必要がない」、「計画通りに行かないのに時間の無駄」
とおっしゃるリーダーが多くいらっしゃいます。
そのような意見をお持ちになることは、よく理解できます。
新規事業や画期的な新商品を生み出そうとすればするほど、技術開発は計画通りには
進みませんし、せっかく作った戦略が意味のないものに感じてしまう、すなわち時間の
無駄と感じてしまうことは十分ありえます。
しかしヘンリー・ミンツバーグが提唱した「創発的戦略」こそ、まさに新規事業
の技術開発には欠かせないのです。
開発当初に計画した「計画的戦略」の中で、時間の経過や戦略の実行結果により、
計画の変更が余儀なくなる場面において、当初の戦略とは異なる戦略となることを
「創発的戦略」と呼びます。
「計画通りに進まない戦略の軸をぶれさせることなく、しかし柔軟に進化させる」
このように戦略を進化させながら開発を進めることこそが、新規事業開発リーダーの
主たる役割となります。
当然ながら最初に「計画的戦略」を立案し、行動しないことには軸がブレブレ、
何を開発しているのか、何のために開発しているのか組織全体が迷走しますので、
注意してください。
まずは、開発当初に戦略を立案し、行動する。
そして、行動しながら得た結果から学習し、知恵を絞り、戦略を修正するといった
「創発的戦略」をご自身の開発で使いこなしてください。
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