今回は「AI技術を活用する前に決めておくべきこと」について解説します。
以前、記事にした「トレンド技術は課題ありきで取り入れる」も合わせて
ご参照ください。
ここ数年、AI関連記事やセミナーが様々なところで開催されていますね。
先日お話を伺った某AI開発企業の方もおっしゃっていたことですが、
やはり「AIは業務課題をなんでも解決してくれるスーパーシステム」と
思い込んでしまっている方が、まだまだいらっしゃるようです。
公的機関をはじめ民間企業のPRなどにおいても夢のシステムとして
期待あふれるキーワードが並んでいます。
私が常々、感じていることですが、新しい技術を活用できるか否かは目的次第
ではないでしょうか?
スマートホンが流行りはじめた頃、「みんなが持っているから」「トレンドを
追っていたいから」という理由で購入した方がいらっしゃいましたが、
数ヶ月後にお会いしてみるとガラケーに戻っていたことがあります。
理由をお尋ねすると「自分の生活には必要なかった、今までの方が
使いやすかった」ということでした。
さすがに今はスマートホンを使用されているかとは思いますが、個人レベルに
置き換えてみても目的が明確でない状況における新規導入は失敗が付き物です。
AI技術も同じことが言えます。
「トレンド技術は課題ありきで取り入れる」で取り上げたように、
課題から考える、つまり目的を明確にすることが第一に必要です。
そしてAI開発者からお聴きした、もう一つのポイントがあります。
それは何だと思いますか?
答えは、「評価基準を明確にすること」です。
例えば生産ラインの異物混入除去やセキュリティーカメラの不審人物判定など
目的を明確にしたあとは、それらを解決するための判定基準が必要になります。
当たり前に思われるかもしれませんが、実はこの判定基準がぼんやりしている
ことが多いのだそうです。
判定するための対象が何か?どの範囲で?あるべき姿は何か?を数値指標として
明確にすることが必要です。
これらの情報を元に収集したデータを加工し、学習させることで自動化などの
AI活用効果が表れてくるということです。
AI万能説を一旦、脇に置いておき、会社・組織の課題を明確にする。
そして、自動化するためのベースとなる評価基準を自ら決めるということが
ポイントです。
AI技術はそのサポート役を担うシステムだというお話をご紹介しました。
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