今回は設計レビュー(デザインレビュー)について、解説をします。
前回の記事で技術承継の方法の一つとしてデザインレビューをご紹介しましたが
今回は設計品質を上げるための方法についてご紹介します。
システム開発など技術開発を行なっている企業・組織ではすでに一般常識と
なっているデザインレビューですが、その効果を感じていらっしゃいますか?
良い意味での設計業務のルーチンとなっていればいいのですが、
デザインレビューを実施したという事実が目的となってしまっている組織を
目にすることがあります。
せっかくメンバーの時間を使って行うレビューなのですから、効率的に効果が
得られる仕組みとしたいものです。
ご存知の通り、デザインレビューは設計品質の確認を有識者と行い、予期せぬ
ミスを抑止することが最大の目的です。
また、前回の記事でもお伝えしたように設計品質を上げる、つまり組織・個々の
スキルアップも目的の一つとなっています。
デザインレビューをより効果的なものとするために、レビュイー(設計者)が
心がけたい3つのポイントをご紹介します。
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レビューには設計対象とドキュメントを用意する
設計対象である、ソースコード、回路図、CAD図面などのアウトプット
以外に、仕様書および補足説明資料を準備します。
業務が立て込んでいる組織では、仕様書などドキュメントを作らずに
開発を進めてしまい、チェック漏れが発生するシーンがよくあります。
仕様書もソースコードなどと同じ、設計アウトプットの必須項目です。 -
設計の根拠が説明できる状態にしておく
これもよくある例なのですが、前任者や既存商品ですでに実績のある
ソースコードや図面を一部コピーして使うことがあります。
設計効率を考え、コピー・流用することは決して悪いことではありません。
問題はコピーの仕方です。
流用した箇所の設計品質の責任は、コピーした本人にあるという認識を持ち
設計の根拠を説明できる状態にしておく必要があります。
若手エンジニアに多いのですが、「なぜこのような設計をしたのか?」と
いう問いに対し、「コピーしたので意図はわかりません」では設計者として
恥ずかしいことです。
このような組織とならないよう、開発リーダーはしっかりと指導をしてあげてください。 -
レビュアーに対して具体的な依頼をする
開発初期などの小規模組織におけるデザインレビューは、他部署の有識者に
レビュアーを依頼することがあります。
そのような場合、私自身の経験からも気を付けたいポイントがあります。
有識者にチェックして欲しい設計対象を具体的に伝えることが大切です。
単に「レビュアーをお願いします」では、レビュアーはどこに注目して
良いかわからず、結果として設計ミスを見逃すことになりかねません。
他部署にいる有識者は、その道のスペシャリストであり、本業務で忙しい
ことに留意し、どこをチェックして欲しいのか具体的に伝えることで
相手の負担を軽減できると共に、凡ミスを防ぐことにつながります。
以上、3つのポイントを念頭において開発を進めるようにしてください。
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