最近、宇宙飛行士である金井宣茂氏のインタビュー記事を読みました。
記事のタイトルには『現場では「何でも屋」、協調性が日本人の長所』という
記載があり、改めてチーム・組織マネジメントについて考える機会となりました。
みなさんは「何でも屋」、「協調性」といった単語からどんなイメージを持ちますか?
「何でも屋」:得意分野や強みがない。
「協調性」:意見を持たない、主体性がない。リーダーシップは取れない。
こんなネガティブなイメージに捉えることはないでしょうか?
しかし、ポジティブ・ネガティブ特性は表裏一体と言われます。
「何でも屋」:幅広い分野に知見や技術を持っている。
「協調性」:個々の意見を取り入れ、納得性のある方向に意見をまとめることができる。
このようにリーダーにふさわしいと解釈することもできるわけです。
新規事業・新商品の立ち上げには、イノベーティブなアイディアマンや最前線で
戦う強いリーダーシップ、折れない強靭なマインド、誰をもYesと納得させる
説得力・交渉力など、スーパーマンを求める傾向が少なからずあるのではないでしょうか?
私もシリコンバレーやベンチャー企業の話を見聞きする度に、そのような感情を
抱いたことがあります。
つまり、自分の組織にスーパーマンがいないから新規事業を立ち上げることは無理だと。
しかし、独立起業した後に身にしみて理解できたことがあります。
それは、新規事業を成功に導いた人物・企業のストーリーをそのまま鵜呑みに
してはいけないということです。
- どんな成功者も一人の力では実現できない
協力者、チームの力があったからこそ成功した - 何百もの失敗を繰り返して、たった一つの成功にたどり着いた
失敗ストーリーは1〜2個のみ、若干派手に語られる
一人の力はたかが知れています。
金井宣茂氏のおっしゃる「協調性」は、チーム・組織で新しい価値を生み出す
ために非常に重要なスキルです。
そして何百、何千もの失敗をしながら、たった一つの成功を掴みとるためにも
チーム・組織で解決プランを絞り出し、立ち向かうことが必要です。
アイディアだけはいくらでも出せるアイディアマンだけのチームでは、道半ばで
諦めてしまう可能性が大いにありえます。
そんな時にどんな特性を持った人物がチームにいるべきなのか。
困った時にお互い補完しあえるような、多様性のある組織・チームを作っておく
ことが将来のリスクヘッジにつながります。
マネジメント・開発リーダーの方はぜひこの視点を持って、メンバーの個性を
見極め、各人の個性を成長させる役割をアサインするようマネジメントを進めてください。
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