数多くの先人達が手書きの効果を示している事例を見聞きしたことはありませんか?
私の経験でも、頭の中にぼんやり浮かんだアイディアは、なるべく手書きすることをおすすめします。この「ぼんやり」という状態は、まだ本人も言語化できていない、つまり消化できていない状態を示します。
特に新商品の企画や前例がほとんどない開発の方針など、ルーチンワークではない想像力を働かせなくてはならない業務には、あえて紙に手書きタスクを入れることで、よいアイディアを構築できる可能性が高まるでしょう。
先日、あるTV番組でやり手経営者が、手書きで経営計画を作成していましたが、赤の他人の私から見るとお世辞にも字はきれいとは言えず、ランダムな走り書きが連続していました。しかし、ご本人はいたって真面目です。
番組の中における会話でも、その事業ストーリーが分かりやすく、表現されていました。
私たちの日常では、スマホやパソコンといった手書きではない便利なツールが当たり前に存在しています。報告書やプレゼンテーションといった他人に伝えることを目的とした資料を清書するためにツールを使い、きれいに理路整然と表現することが求められます。
しかし、清書できるレベルになる前、アイディア構想段階における手書きには、こんな効果があるということを忘れてはいけません。
- 集中力が発揮できる
- 言語化することで思考が整理できる
- 記憶することができる
あえて手で文字を書くという動作は、パソコンやスマホなどキーボード入力よりも脳を刺激し、その結果、脳の複数の領域を同時に活性化することで記憶を深めることができるそうです。
日常で起こりやすい「やる気がおきない」、「なんとなくアイディアはあるけれどまとまっていない」、「他人に伝える段階ではない」などと考えていることがあれば、思いつくまま書き出すことから始めます。
「書き出すだけでは意味がない!」と断固拒否する方も中にはいらっしゃいますが、ものはお試しあれ。
書き出すことで、「私のアイディアは一言でいうと何なのか?」、「実現するためには何が課題なのか?」、「なんで自分はこんなにやる気が出ないのか?」、「なんで企画がやり直しになってしまったのか?」といったモヤモヤ・ぐるぐると頭を悩ます課題の解決プランが、いくつか出てくるはずです。
手書きによる書き出しは、アイディアワークのみでなく、自身のキャリアプランやライフプランの悩みや目標実現にも適用できます。
異常ともいえる最近の閉塞感を吹き飛ばすためにも、もし「解決策なんて思いつかない!」と悩んでいることがあれば、手書きによる書き出しを積極的に行ってみましょう。