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開発にベンチマーキングを活用する

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研究開発テーマの選定を行うにあたり、どのように選定したらよいのか、数あるテーマの中からどのように優先順位をつければよいのか、悩んでいる開発リーダーからご相談をいただきます。
数ある開発テーマの候補から1~2つを選定するには、何を基準に判断すればよいかというと、ずばり「競合ベンチマーク分析結果」です。

そもそもベンチマーク活動の目的には、大きく2つがあります。
1つは目指すべき目標値を設定すること、2つ目は現在の自社のポジションを正確に認識することです。
企業活動における研究開発テーマの目的は、価値ある商品へと適用する差別化技術の開発です。
仮に「差別化すること」だけを目的にするならば、他社が持っていない技術を開発すればよく、それは顧客が必要と思わない機能やスペックといった具合に偏りがある「自己満足」の技術となる可能性があります。
企業が将来に渡り事業を持続拡大するためには、顧客に「この商品だからこそ、欲しい」と選択してもらう技術を漏れなくダブりなく開発することが必要です。そのためには、市場はもとより競合他社と自社技術を客観的に評価することが必要です。

次にベンチマークを行う対象の選定のコツを解説します。
今まで一般的にベンチマーキングとは、対象商品の競合となる企業や大学、研究機関を対象とすればよいと言われていました。
しかしデジタル化による技術革新が急速に進む現在においては、すでに目の前に存在する競合だけを注視するのでは不足しています。
目に見えない第三者が潜んでいる可能性を考慮し、俯瞰して大きくベンチマーク対象をとらえる必要があります。

例えば、TV局であれば長らく国営vs.民法であったり、民放局同士の視聴率争いが主流でした。
しかし、10年ほど前からはオンラインによるDVDレンタルやサブスクリプション型の動画配信サービス、無料インターネット動画配信といった新たな競合が出現しました。
このように既存業界で提供している価値を代替する商品・サービスを考慮し、提供している顧客価値の代替手段をキーワードに競合をリストアップすることが必要です。

最後にベンチマーク結果の活用について、注意するポイントを紹介します。
それは、ベンチマーク結果は競合の過去を示すものであり、分析結果をもとに競合の開発方針を予測する、自社が競合に打ち勝つための施策を構想することです。
よくよく考えると当たり前なのですが、ベンチマークで見えてくるものは競合の過去の開発成果です。
現在取り組んでいる開発テーマ、将来の開発方針は、過去の開発傾向から予測することで見出します。
そして、予測した競合の開発方針を一つの指標として、すぐに客観的で意味のある自社の開発ロードマップを作る活動をしていきましょう。

今回は「正確なベンチマーキング活動を素早く行うことが革新的商品アイディアへとつながる」ことについて紹介しました。

当社では、未来視点で競合対象を設定し、ベンチマーキングによる開発テーマ設定のコンサルティング支援を行っています。
同テーマで3~4名といった少人数から数十名規模での研修、ワークショップも承っています。
お気軽にお問合せください。

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