開発部門が発案する事業企画の中で、市場規模が見込める質が高いアイディアにもかかわらず、開発が進まず事業化に至らないケースを目にすることがあります。
担当者の方にヒアリングすると、事業アイディアの企画稟議はPASSしたものの、実際に開発が開始できない・進まずにプロトタイプが制作できないという困りごとがあるようです。
通常、稟議が通るということは、承認された企画を実現するための要素開発が開始されることを意味します。
にもかかわらず、なぜ開発が開始できない・進まないのでしょうか。
考えられる原因は、3つあります。
- 開発テーマの計画が具体化できていない
企画書の中で、重要な開発テーマを明らかにし、目標・スケジュール・リソース計画を具体化する必要があります。 - 開発テーマを開始する了承を取っていない
企画稟議の場で、開発テーマ計画を提示し、決裁者に開発開始の了承を得る必要があります。 - ステークホルダーから応援されていない
決裁者はもとより、関連部門から事業アイディアに賛同を得る必要があります。
この中で見落としがちな原因が、3つ目のステークホルダーから応援されていないです。
応援と聞くと違和感を感じるかもしれませんが、ここでいう応援とは協力、共同開発、リソースを動かす指揮命令を示します。
事業アイディアの企画は2~5名程度の少人数で行われることが多くあります。
企画が承認されたとしても、新規事業へのリソース投入はどうしても二の足を踏んでしまい、専任者のアサインはされにくい傾向があります。
リソースが追加されない場合は、極端にいえば個人事業のようにすべての開発を自らやり切らなくてはならず、非常に厳しい環境に置かれることになります。
このような環境におちいらないように取るべき施策が、ステークホルダー特に社内の関連部門の応援を得る活動です。
応援を得るための近道は、事業アイディア(開発テーマ)が共感されることです。
事業アイディアに共感されるためのポイントは、3つあります。
①事業として儲かりそう・成長しそう
②企業イメージがよくなりそう・社会的意義や貢献ができそう
③開発テーマが面白そう・すごそう・楽しそう
いずれも共感が得られれば、絶対に事業化するべきだ、一緒に開発したい、今すぐは無理でも将来的には協力したい、といった応援につながります。
事業アイディアへの共感を得るために、企画稟議の場で事業アイディアを伝える際には、顧客にとってのメリットはもちろん、社内の応援を得るためのの訴求(例えば自社メリット)を企画書に含めることが重要になります。
当社では事業アイディアの抽出~企画、開発計画の具体化支援を行っています。