現在、活用が進んでいるテレワークとオフィスワーク、ハイブリッド型業務が必要とされる組織で新商品開発を行う人材育成をどのように進めればよいか分からない、という相談が増えています。
イノベーションを起こす研究開発人材の特徴とともに、具体的な育成施策について解説します。
ここで「イノベーションを起こす」とは「新商品をゼロベースで立ち上げる」と解釈し、重要な3つの行動指針を説明します。
①興味・関心を持つ
イノベーションを起こす人は専門技術に対する知見を持っています。加えて、トレンド技術や社会環境などのニュースを収集することも得意です。これは新商品アイディアを出す上で使用するPEST分析というマクロ環境分析へのインプット情報となります。日ごろから網羅的にニュースに触れるなど幅広い知見を得る行動を推奨します。その他、趣味を見つけ活動することも、既存事業にとらわれず幅広い分野への興味・関心を促すきっかけになりえます。
②挑戦する
新商品は多産多死を乗り越えることで実現します。すなわち失敗することが当たり前の世界です。長期間、既存事業に研究開発リソースを投入してきた場合、失敗を過度に怖れる傾向があります。これが続くと挑戦することをやめてしまう組織となってしまいます。
新商品開発の場合、成功確率50%程度のテーマもしくは目標値を設定し、失敗することに慣れることが必要です。ポイントは失敗したまま終わらない、次に成功させるための計画を立て実行することです。このように仮説検証を繰り返すことで、開発成功率が高まるはずです。
③アウトプットする
どんなによい新商品ができたとしても存在を知ってもらわなければ、売り上げにつながりません。これは完成品を顧客に営業する時だけではなく、研究開発であっても同様です。優れたコア技術は経営層やプロジェクトマネージャーに理解してもらうことが必要です。開発マイルストーンごとにプロトタイプやプレゼンテーションを行い、フィードバックを受ける施策をルーティンとしましょう。アウトプットの機会を複数回設けることで、PRすること自体に慣れますし、訴求ポイントが外れない企画を作るスキルが向上します。
今回は「新商品を立ち上げるためには①興味・関心を持つ、②挑戦する、③アウトプットする ことが重要である」について解説しました。