先日、経済産業省から平成29年度の特許出願技術動向調査が発表されました。
この調査結果は、ビジネスの2つの観点から有益です。
現状を俯瞰して把握できる&将来予測の一助となる
特許庁が市場創出に関する技術分野、国の政策として推進すべき技術分野を考慮した
技術テーマを抽出しているので、現状の注目技術を把握することができます。
平成29年度の技術分野はこちらの12分野となっています。
- 超音波診断装置
- 有機EL装置
- 次世代光ファイバ技術
- 自動走行システムの運転制御
- 食品用紙器
- リハビリテーション機器
- ヒト幹細胞関連技術
- リチウム二次電池
- CO2固定化・有効利用技術
- MIMO技術
- マンマシンインターフェイスとしての音声入出力
- 匿名化技術
それぞれの詳細は調査結果を読んでいただくとして、すでに実用化されている、
もしくは商品として販売されているものが多く、また技術同士の関連性も想像できます。
例えば、「自動走行システムの運転制御」と「リチウム二次電池」の組み合わせから
自動走行機能付き電動自動車など近い将来の自動車が想像できます。
将来予測の一助となる
現状における世界の技術開発動向を把握できるということは、
1〜3年後の商品が確度を高く予測できます。
個人的に注目している「マンマシンインターフェイスとしての音声入出力」は、
ここ1〜2年ブームになりつつある「Google Home」や「Amazon Echo」などの
AI搭載スマートスピーカーが次に搭載する機能を予測することができます。
日本は自然な会話を実現するコミュニケーションに注力して出願している調査結果が出ています。
私見ですが、日本の「おもてなしの心:サービス精神」というこだわりが顕著に現れていると思います。
一方、世界的には「セキュリティ確保」や「リアルタイム性」に関する出願傾向が強いようです。
AI搭載スマートスピーカーは「より早く、より安全に、より自然なコミュニケーションが取れる」
ものになるようです。
このように
「現状の技術開発動向を容易に把握でき、1〜3年程度の近い将来の商品の方向性を予測できる」
ことが魅力です。
ちなみに特許出願技術動向調査は、あくまで方向性を理解するもので、
注目技術の具体的なスペックは出願を閲覧するなど、各々で対応する必要があります。
ただし何度もお伝えしているように、簡単にビジネスの傾向を予測できることは非常に有益です。
なぜなら既存商品や開発中の商品と紐付けることができれば、それがビジネスになるためです。
検討中の開発テーマがあるのならば、
この技術動向をきっかけに開発方針や特許出願方針を再考してみてはいかがでしょうか?
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