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シリコンバレーD-Labレポート〜3章1〜

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引き続き、今回はシリコンバレーD-Labレポート3章「日本企業の新規事業開発
における傾向と対策」の1について、興味深い内容を取り扱います。

この章では、まずはじめに「日本企業の陥りやすい罠-新規事業開発に関する
金言」というテーマで、シリコンバレー有識者からのメッセージが30個程、
挙げられています。

順々に読み進めると、自社も同じだと共感されたり、耳が痛いと思われるのでは
ないでしょうか?
私自身、会社員時代には同じようにジレンマを抱えていましたので、共感できる
ものが多くありました。

それでは、この30個のメッセージの中でも大企業が陥りがちだと感じる課題を
3つ絞って解釈を記載します。

  1. ふわっとした「情報集め」や「戦略パートナー探し」をミッションとする
    この中のキーワードはズバリふわっとしたです。
    すなわち目的、ミッションが明確になっていない情報収集を示します。
    よくお聞きする話の中でも「うちの会社の〇〇という技術、こんな業界・
    こんな商品に使えそうな気がするんだよね。ちょっと調べてみてよ。」と
    いう部下・コンサル会社などへのオーダーがあります。
    このオーダーが本当に初期の軽い相談レベルであればいいのですが、
    本格的に調査する前にも同じような状況があります。
    「情報集め」・「戦略パートナー探し」をする明確な目的、もっと言えば
    戦略がなければ、調査範囲が膨大となり、結果も広く浅くなってしまいます。
    広く浅くも必要ですが、せっかく現地法人を立ち上げてまで調査をする
    のであれば、結果を出すための事前準備(目的の明確化)が不可欠です。

  2. 過去の成功体験から、自社は決して潰れないという盲目的な自信がある
    →結果、新規事業開発に対する切迫感やインセンティブが働かなくなる
    過去の成功体験を忘れられず、トップの判断基準や考え方に偏りが出ると
    いうことがよく発生します。
    そして自社は絶対に潰れないという自信は、トップに限らず一般社員まで
    浸透している悪しき思い込みとなっています。
    個人的な事例になりますが、私自身20代で勤めていた外資系企業の開発
    部門が日本撤退となり、一夜にしてリストラされることになって始めて
    「世の中、絶対大丈夫なんてことはないんだ」と気づくことになりました。
    この経験から常に自分が仕事を選べる人材にならなくてはと、ある意味、
    緊張感を持って過ごすことが習慣になりました。
    この例は個人単位の話ですが、会社も同じことだと思います。
    「このままでも大丈夫」は、「この先いつかの倒産を招く」ことにもなりかねません。
    なかなか想像しにくいかもしれませんが、現状維持に対する危機感を持つ
    ことも新規事業の推進力につながるはずです。

  3. 存在しない市場は分析できない
    →イノベーションの初期では、不確実性も高く、
    現存する市場と比較すると、
    参入の価値がないように見える
    この事例も多く見聞きします。
    特に目に見える、現実的に売上げをあげている市場と比較すると、
    どうしても新しい市場は霞のように不安定なものに見えます。
    しかし、思い出していただきたいのですが、トップがやるべき仕事は何でしょうか?
    それは、判断することですね。
    それも全てのデータが揃っている状況での判断ではなく、ほどほどの情報
    を元に判断することがトップ・リーダーの役割です。
    市場の分析も同じこと、不確実な状況において判断する必要があります。
    存在しない市場の分析は、トライアンドエラーで確度をあげる継続的な
    活動がポイントになります。
    ぜひ、小さなPDCAを回して確度をあげていってください。

 

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