journal:代表のつぶやき

科学技術白書を考える(第一回)

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これからしばらくの間は、先の閣議で決定された「令和2年版科学技術白書」について、私自身の考えをまとめていこうと思います。

「はじめに」において、
「我が国では、科学技術基本法(平成7年法律第130号)に基づき、政府が5年ごとに科学技術基本計画を策定し、科学技術政策を総合的かつ計画的に推進している。」引用元:令和2年版 科学技術白書
と記載され、現在はその第5期最終年度として、「Society 5.0」の提唱、ネットワーク技術やサイバー空間利用により、人々に質の高い生活をもたらす活動を進めている状況です。

5年という期間は、ちょうど企業の中期計画や技術開発ロードマップと同じ程度であり、人が将来をイメージしやすい時間軸とも言えます。

将来がある程度イメージしやすい5年という期間であっても、今回の新型コロナウィルスの流行に伴い冒頭「はじめに」にも、その影響が見られます。
それは新型コロナウィルスへの早急な措置である、診断法や治療法の確立やワクチン開発の取り組みをはじめ、テレワークシステムやAI利用による特定業務の代替手段の普及です。

後者のようなテレワーク、業務効率改革は、すでに予定されていた東京オリンピックや少子高齢化による人材不足解消などの課題から、ありたい姿のイメージを実現するべく開発が進んでいました。

しかし、前者のように新たなウィルスへの対応は、一筋縄ではいかないものです。なぜなら、今回のようにいつか起こるであろうと予測されているものの、数年、または百年に一度のパンデミックは人がリアルに想像できないからです。

現代においては過去のパンデミック・自然災害の情報はいつでも検索できますが、実際に経験したか・しないかのギャップは想像以上ではなかったでしょうか?
実際に私が支援したある企業において、未来予測を行うと新型インフルエンザの脅威のようにパンデミック現象がリストアップされます。しかし、リストアップするにとどまる、深掘りはしないという状況に陥りがちとなるのです。
その理由には、具体的に想像ができない事象であることが原因の1つと考えられます。

では、リストアップした事象を深掘りするにはどうしたら良いのか。
それは、ペルソナ設定やカスタマージャーニーの活用により想像する、自ら疑似体験することです。

少し脇道に逸れましたが、今回の白書のように3〜5年のロードマップは作成した後にも社会環境の変化が起こるものと捉え、その都度、軌道修正する必要があります。
間違っても「作成した方針はテコでも変えない」ではいけません。
ロードマップには「柔軟に、かつ軸は変えない」が重要です。

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