先日ある開発リーダーからこんな相談がありました。
「一日のスケジューリングをしても、当日になると急な会議やら雑務が入ってしまって仕事が進まないんだよ。気づくと終業時間になっていて、一日何をしていたんだろうと振り返るたびに気が滅入るよ。」
分かります。私も会社員時代のある期間、まさに同じ状況に陥っていました。
とにかくメールが大量にきて捌く時間がかかり、業務フローが定まっていないことから社内決裁がめちゃくちゃでその確認作業に追われ、一日の大半は会議で埋め尽くされて一日が終わるころにはヘトヘト。帰りの電車では「今日の進捗は何かあったのだっけ？」と悩む毎日でした。
同じような日々を送っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は開発者、特にリーダーのみなさんが意識して欲しい一日のスケジューリングのコツを紹介します。これは私が実際に開発プロジェクトや起業独立、TOEIC受験などで効果が得られた考え方ですので、参考になさってください。
朝のタスク
朝が強い方でしたら、就業時間前の1~2時間程度を確保してください。朝が得意ではない方でも30分、もしくは通勤時間を確保します。
この時間を使って「開発プロジェクトをうまく進めるには？」「メンバーをどのように育成しようか？」といった自分が主導するテーマのアイデイア仕事をしましょう。一般的にもクリエイティブな仕事は脳が新鮮な状態とされる午前中が推奨されています。
私の場合は、だいたい１時間前に会社近くのカフェに立ち寄り、技術戦略（ロードマップ）の構想や企画アイディア出しなどを行っていました。この時間は余計なニュースやメールを見ない・聞かない、つまり雑音が入らない環境を意図的に作ることが重要です。
前半はアイディアを出すことに専念し、後半15~30分程度でアイディアリストを吟味したり深堀りすることでタスク開始～完了を朝のうちに達成できるため、その後の業務も前向きに進めることができるでしょう。
午前のタスク
次に午前中におけるタスクの設定について紹介します。
午前中はなるべく組織・チームメンバーと一緒に研究開発テーマのアイディアをブレインストーミングしたり、日々の進捗や困りごとを報告・相談するためのミーティングを設定します。また研究開発における実験方法の構想や開発方針に関する討議、部門間における設計仕様の整合の時間に使うこともよいでしょう。
ブレインストーミングを午前中に行う効果は先に示した「朝のタスク」と同様です。日々の進捗や困りごとは始業時間直後にチーム全体で短時間で行うことで早期課題解決や新たな課題の発見につながり、またメンバー間のコミュニケーションを円滑にするためにも推奨します。また、各メンバーが一日の予定業務を言語化し、声に出すことで自覚を促す効果もあります。
午前中のタスクとして部門間での仕様整合や開発の構想を行う理由も同様にフレッシュな脳を使うことで、独りよがりとならない本来の目的に沿ったアイディアを出し、漏れなくダブりなく、ミスは最小にとどめる開発設計を進めることにつながるためです。
まとめ
今回は、開発者に意識してほしい一日のスケジューリング：朝～午前編をまとめました。
脳がフレッシュな状態である朝と午前中に、ルーチンワークではないアイディア発想や一日の目標設定・課題解決プランニングに使い、またメンバー同士のコミュニケーション時間を設けることを推奨します。
この時間に何か一つでもタスクが完了することで、午後からの時間が有効なものになったり、一日に対する充実感・達成感を得ることができます。
もし今、一日のスケジューリングに悩んでいたら、お試しください。