今回は「経営資源をリストアップする」というタイトルで解説します。
新商品の開発現場では、保有リソースを活かしたアイディア創出が求められます。
保有リソースは、経営資源といわれ「資金調達や販売活動、従業員管理や経営管理などが統合されたもの」で「事業を成長させるための資源」を示します。
事業を成長させるための施策の1つである商品開発は、「何も持っていない状態」では叶いません。
当たり前ですが、資源(リソース)が必要です。
経営資源をフル活用することで、良い品を市場に受け入れられる価格で、素早く提供することができるのです。
それでは経営資源とは、どんなものがあるのでしょうか?
一般に経営資源は①有形、②無形、③組織・人材の3種類があります。
ここで研究開発が意識してほしい、経営資源について紹介します。
①有形
文字通り、目に見える資産です。
まずは完成品評価、モジュール解析、化学素材分析などに使われる評価設備、組み立て加工や化学合成といった生産設備を押さえましょう。
その他、オープンイノベーションのマッチングにおいてもアドバンテージが発揮される開発拠点、営業拠点もリストアップすることをお勧めします。
②無形
モノとして目に見えない、形ない資産ですが、研究開発としてはなじみが深いかもしれません。
パテント(特許)や論文などで公開される技術、設計ノウハウなどが該当します。
そのほか、企業ブランドや商標なども無形資源にあたり、現在行われている社内ベンチャー活動を推進する上で重要な資産となることがあります。
③組織・人材
一般にケイパビリティと言われる組織スキルです。
今のトレンドならば著名なデータサイエンティストを大勢抱える組織は、産業界で羨望の的となっていますね。
特定の地域や業種で100%シェアを獲得したような営業組織も重要な資源となります。
このように有形、無形、組織・人材という3つの経営資源を洩れなくダブりなく収集することは、既存の延長線上に限らない新商品を企画し、開発を進めていく上で重要な活動となります。
極論ですが、既存の延長線上における商品開発では、研究開発として広範囲にわたる資産の棚卸しは必要がなく、従来通り、経営企画がその役を担うとでよいでしょう。
今回は「イノベーティブ商品を生み出すアイディアの源泉とするべく、経営資源をリストアップする」について解説しました。