先日、参加したイベントで内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」の話題となりました。
ムーンショット型研究開発とは、内閣府のWebサイトにこのように定義をされています。
「我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)」
この研究開発テーマを「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の下、関係省庁が一体となって推進する新たな制度」がムーンショット型研究開発事業と表現されています。
制度の概要はこちらにPDF形式でまとめられていますが、文部科学省・経済産業省にそれぞれ国家予算が当てられ、科学技術振興機構 と新エネルギー・産業技術総合開発機構を通して、これから公募・採択が行われる予定となっています。
冒頭にある「従来の延長にない」というキーワードですが、私が携わる企業コンサルティング現場やセミナーにおいても重要ワードであることは、間違いありません。業種・職種の違いはあれど、従来の延長線にない新規事業へとつなげるR&Dテーマをどのように創出したら良いか、確実な利益につなげるにはどのようにR&Dテーマに投資育成していけば良いかという悩み・課題を抱えているクライアントがほとんどです。
こういった企業・大学が抱える課題を解決するための一手段として、今回のムーンショット型研究開発事業への期待が高まっていると感じています。
この事業の中で1つ新しい感覚を得ました。
公募内容の詳細は2020.01.25時点で発表されていませんが、少子高齢化や自然災害などの社会的課題解決に向け、世界中から科学者の英知を結集し国際連携するという表現です。
具体的な内容は示されていませんが、日本国内にとどまらずグローバルな協力を通して社会課題を解決するという意思表明がされています。
これまでももちろん国際協力はされてきたはずですが、明確に表現されていることで、もはや一企業・大学だけで社会課題を解決することはできない。
ビジネスだけではなく、研究開発の世界においても企業・大学内から国内の他社・他大学、さらには国外・地球規模へとオープンなイノベーション活動による価値創造が広がっていくのだという希望と期待を感じるに至りました。
今後もムーンショット型研究開発事業の動向を追いつつ、当ブログにおいて気づきを発信していく予定です。
実際にこの事業を利用する・しないはともかく、企業内・大学内における新規事業の企画・推進課題を解決するヒントが隠れているかもしれません。