ビジネスにおける戦略書というと、最もポピュラーなものとして「経営戦略書」が挙げられます。
「経営戦略書」に事業、商品、技術…などの方針が全て網羅されていると良いのですが、
ほとんどの会社で満足な状態になっていません。
それも大手企業であればあるほど、この傾向が強いのです。
それは、何故でしょうか?
そもそも「経営戦略」は事業の方針を決め、「商品戦略」は商品の方針を決め、
「技術戦略」は技術の方針を決めるものです。
では、これらは誰が決め、誰に伝えるものなのか。
本来は事業に関わる全てのステークホルダーに向けて作成されるものですが、
実はメインターゲットが異なります。
ステークホルダーには、株主、経営陣、開発区、企画区、R&D…などがいます。
それぞれがミッションに応じた「戦略」「方針」を理解する必要がありますが、
全てをまとめようとすると、とても中途半端な内容になります。
先ほど申した通り、大手企業になればなるほど理解にズレが生じます。
そこで各々の役割に合った方針を「戦略」として表現するのです。
ということは、まず事業方針「経営戦略」があり、その中に「商品戦略」と「技術戦略」が入ります。
しかし、この表現には若干の語弊があります。
それは「商品戦略」と「技術戦略」が完全に「経営戦略」の下位になるとは限らないということです。
「経営戦略」と「商品戦略」と「技術戦略」は互いに補完し合う、
つまり統合的な「戦略」であるべきです。
「統合がうまく出来ていない」、「偏った視点でまとめられている」と、
網羅性に欠けた分かりにくい「戦略書」が出来上がってしまいます。
この辺りの「戦略」についての考え方や進め方は、今後このブログでご紹介していきます。