今回から「シリコンバレーD-Labレポート」という、シリコンバレーD-Labと
経済産業省のセミナーで講話された最新レポート、
「大企業におけるシリコンバレー新規事業開発」の内容を取り上げ、弊社代表
による解釈を記事にします。
シリコンバレーD-Labプロジェクトについての説明およびセミナー資料はこちら
それでは早速、今回は「1. はじめに」 を取り上げます。
この章では、シリコンバレーの現状や日本企業の新規事業立ち上げに関する課題
が当事者の生の声を元に列挙されています。
資料冒頭において、この資料に限らずですが2000年代から盛んに提唱されて
いる「モノ」から「コト」への変革が示されています。
規模は異なりますが、80年代の「ファミコン」などのゲーム機においても同じ
ようなことが起きましたね。
ゲームソフトを動かす「ハード」だけあっても価値がなく、ハラハラドキドキ
する「ソフト」を持っていなければ、ただの箱といった状態です。
ここで「ハード」を作る製造業の方々は、落胆しないでいただきたいと思います。
なぜなら既に一社独自で世の中に価値を提供する時代ではなく、エコシステムを
形成する仲間として価値を提供していくことが望まれるからです。
この辺りを説明すると長くなりますので、この記事では省略します。
続いて1940年代から2000年あたりまでの日本企業が起こした
イノベーションの数々(「オリンパス光学工業」の「胃カメラ内視鏡」など)
が挙げられています。
そして現在、アメリカのソフトウェア開発会社を中心に中国や韓国、トヨタなど
がシリコンバレーを拠点に開発している様、キャッシュなどがまとめられています。
そしてこの章の本題とも言える日本企業が懸念している「過去のシリコンバレー
ブームの繰り返しにならないか?」と考える現状を生の声で発信しています。
その中で私が過去の経験からも注意が必要だと考える内容がこちらの2件です。
その1
「日本からの訪問者は質問ばかりで、意見交換というよりも会話が一方通行で
ある場合が多い。
なぜなら、調査目的、勉強目的という極めて自分都合の面会が多いからである。
こんなことを続けていては、日本の評判は悪くなるばかりだ。」
(引用:日経新聞2014/4/13)
こちらは日経新聞の記事からの引用ですが、本当に多い事例です。
表現がきついかもしれませんが「全て、教えてください。」というスタンスを示します。
新しい価値を創造するために教えてください。考えてください。では、
うまくいくはずはありませんね。
共に創る(=共創する)ために、共に知恵を出し合いアイディアを形に変えて
いきたいものです。
その2
シリコンバレーD-Labプロジェクトのヒアリング結果を見ると、
- 本社側
一向に結果につながらない
現業で忙しくて手が回らない - シリコンバレー開発側
ダメ出しが多く、決定まで時間がかかる
優先順位が既存事業 > 新規事業で関心をもってもらえない
本社向けの説得資料作成に時間がかかる
といった意見となっています。
この結果を見て、あなたも感じたのではないでしょうか?
シリコンバレーに限らず、今現在、ご自身の会社でも同じことが起きているとい
うことを。
このような本社と開発拠点のギャップを埋めることが、まさに弊社の役割です。
この記事を進める上で一つアドバイスさせていただくならば、
「コミュニケーションをいかに上手に取るか」であり、弊社ではそのための
サポートとツールをご用意しています。
この記事の最後に、参照資料の序盤に記載されていることですが、
「特定企業や業界を否定するためのものではなく、日本企業が1社でも多く、
シリコンバレーでの新規事業開発を実現するためのキッカケ作りをすることが
目的」とあるように、このような調査レポートは自社の現状を認識し、
次の一手を決めるための原動力としたいものです。
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